だけどたいちゃんが


もう諦めて



と言った。



木下さんは


一回太一くんの部屋に行きたい。そしたら諦める。


と言った。





あたしはその時にたいちゃんたちと会ったんだ。




―――…
―…



木下さんは泣きながら何度も何度も謝ってくれた。



「太一くんは今でも新井さんが好きだから…」



「ちがうよ…。たいちゃんいつも木下さんのこと見てたし…。由香って呼んでたじゃん」


あたしがそう言うと木下さんは軽く笑って




「ヤキモチ妬かせたかったんじゃないかな?"由香"って呼んだ後私に謝ってきたもの」



それに私の事なんて見てないよ。




そう言って木下さんは階段を上っていった。





まだ頭がまわっていない。




なに?



たいちゃんがあたしを…?




そんな夢みたいな話しがあるのかな?




もし本当なら



あたし…




幸せすぎるよ…