わわわー、血がいっぱい。
いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい、ドクドクと山肌を伝うマグマみたいに地面に広がる。
ベトリと血だまりに触れてみれば、お風呂のように温かい。人肌って素敵、うん。
「ねえ、死ぬの」
唐突に言ってみる。
倒れるソイツが銃でパパン、と二回撃たれた様子を見ていたし、むしろわたしが撃たれるはずだったのだ。
(ちなみに、撃ったやつは常備しているビーラーでいたずらした)
「死ぬのか、お前も」
なかなか答えないから爪先でゲシゲシ小突いて乗っかれば
「ぐえぇ」
と。間抜けな声だ。
「いやあ、死にそうだよもう。感覚無いから」
死ぬくせに。
いつも通り朗らかなやつだな。
(朗らか、という言葉はこいつに教わった)
「苦しくないのか」
「あ、うん。だから感覚ほとんど無いから……現在進行形で地球の重力に逆らえない君の……ぐえぇ」
ムカついたから、ばふん、と上ではねてみた。
しかし饒舌だな、コイツ。
死ぬくせに。
死ぬくせに。
死ぬくせに。
また、わたしのせいで。