「え?」 「お前の夢は?」 軽く聞かれて言葉に詰まる。 「私は……」 思わず俯いて、芝生を見つめる。 皆が私の言葉を待っていても、なにも言えない。 だって……。 「夢とかなくて……、驚いてます。みんな普通に将来とか考えてるんだと思って……」 だってまだ、15年しか生きてないし。 将来なんてまだまだ先だと思ってるのに、気がつくとそんな先でもなくなってて。