「そうだな、ここにいても仕方ないしな」



琥太郎先輩がそれに頷く。



「きっと、青空先輩も海を見に行ってますよ」



奈美ちゃんが少し笑って言う。



「うん、そうだね。海好きだって言ってたし」



私もそう呟くと、なんだか本当にそんな気がしてきて。



制服のまま電車に乗って、あの日青空先輩とデートした海へ向かう。



そこは海水浴をする人で賑わっていた。



テトラポットがある海岸の端に座り、みんなで空の青さと海風を感じる。



それはとても気持ちよくて。



なんだかわかった気がした。