車が見えなくなるまで、私たちはそこに立ちつくしていた。



生徒たちがパラパラと散らばり始めて、ジリジリと焼けつく日差しがコンクリートに落ちる。



それでも私たちはそこから動けずに、車が消えて行った方を見つめていた。



「私たちは帰るね」



そう声を掛けてくるのは、文芸部の部長。



「いつも言ってたの」



呟くようなその子の声に、青春部のみんなが視線を向ける。



言ってた?



なにを?



「うるさいけど、楽しそうでいいねって」



そう言う文芸部の部長の後ろでは、文芸部員のみんなが私たちを見ていて。