「俺、青春部に入ってよかったよ」



静かにそう言う樹先輩の声に、花火を手に騒いでいたみんなが突然黙り込む。



花火のパチパチという音を取り囲み、それを見つめる。



「最初は正直、嫌々だったんだ。でも、今は本気でよかったと思ってる」



そう言った樹先輩が花火から視線を青空先輩に向けた。



「青春部に誘ってくれてありがとう」



なんて、少し笑って言う樹先輩。



「なんだよ急に……」



青空先輩が呟くと、琥太郎先輩が声を出す。



「俺も、青春部に入ってよかった」



「琥太郎……」