「彩乃ちゃんも、洗って……。遅いと変に思われるよ?」 そう言った奈美ちゃんの頬にも涙が落ちていて。 並んで、道具を洗いながら、私たちは泣いた。 手を止めることはなかったけれど、涙も止めることもできなくて。 咲良先輩の泣き声を聞きながら、とにかく洗った。 私たちに出来ることはそれくらいしかなかったから。