「これは俺のだよ?」



なんて言いだす青空先輩はやっぱり咲良先輩が好きで。



「そんなに食べられませんよ」



「いや、食う」



「いいじゃない、また作るから皆で食べれば」



とても嬉しそうな顔でそう言う咲良先輩を見ると、何故か私が幸せな気分になった。



たくさんの努力は無駄にはなっていなかった。



頑張った人の想いは、ちゃんと届いていたのだから。



ふと樹先輩を見ると、その視線が私に向いていて。



一瞬視線が合った私に、微かに笑ってくれた。