「いえ、ご両親の話だと救急車を呼ぶしかないと……」



「体温が下がってるっ」



「誰か掛けるものをっ!」



「まだか? 救急車はまだなのかっ?」



プールサイドに引き上げられた青空先輩は、白い顔でただただ眠っているように見えた。



それを見つめながら、どうすることも出来なかった私達。



なにが起こっているのか、どうしたのかもわからず、私たちは救急車が到着して先生たちの手から青空先輩が引き渡されるのを、ただそこに立って見ているしか出来なかった。