飛び込み台で立ち上がりかけた、咲良先輩の身体が不安定に揺れる。



あっ、と思った時にはその身体はプールの方に傾いていて。



「咲良っ!」



そう叫んだのは、咲良先輩を好きではないはずの青空先輩。



水飛沫が、プールサイドに飛び散る。



制服のままプールに落ちた咲良先輩。



樹先輩が慌てて駆け寄る。



「咲良さんっ!」



その後ろから、青空先輩が走ってきて……。



「咲良、泳げないんだよっ」



そう言いながら水深表示を見る。