でも、そうは簡単にはできないのだ。



海を越えた向こうの国に行っても、なにもできないなら仕方がないんじゃないの?



「そうだね……、問題はそこだよね」



そう言った青空先輩が歩き出すので、手を引かれてそれに着いて行く。



「例え、俺が命を掛けてそれを訴え、行動しても世界は変わらない」



「そうですね」



「何だかそう考えると、悲しいよね」



そう呟いたその背中がとても、寂しそうに見えて……。



私は繋がった手を少し強く握り、引っ張った。



その行動にゆっくりと青空先輩が振り返る。



「悲しくなんかないですよ、そんなふうに考えて感じてる青空先輩は悲しくなんかないです」