「そんなことわからないじゃないか。人の気持ちなんてそう簡単にわからないよ」



「わかります、ホントに相手にされてませんから」



私も窓の外の流れる景色を見ながらそう言う。



「でも、いいんじゃない?」



いい?



なにが?



「誰かを好きだと思えるのも、きっと青春だよ」



「そうでしょうか?」



「俺はそう思うな。人を好きになるなんて素敵なことだよ」



そう言った青空先輩は、何だか言葉の内容とは違い、寂しそうな顔をしているように見えた。