ちょっと、どこ行くの?



学校そっちじゃないよ?



「あの……」



思わず声を掛けた私を振り返ったその顔は、何だかとても悲しそうに見えて。



「彩乃君がわかったら教えてくれよ」



「え?」



「青春がなんなのかわかったら、俺に教えてくれ。君はセンスがあるから、きっとわかるんじゃないかな?」



いや、だからセンスってあんただけしか思ってないよ?



ちょっと……。



「どこ行くんですか?」



そう聞いた私に、青空先輩が空を見上げて小さく呟いた。



「海が見たい」