「人の気持ちを弄んでまで、青春部をしないといけないんですか?」
「彩乃君……」
「そんなの全然青春じゃないじゃないですかっ!」
投げつけるようにそう言った私の言葉に、青空先輩が困った顔で苦笑いする。
「そもそも、青春ってなんですか? 馬鹿なことしてるだけで、たいしたことなんか一つもしてないじゃないですかっ!」
そう言った私に、困った顔のままの青空先輩が小さく溜息をついた。
「本当だね……、なんだろうね青春って」
え?
呟くように言う青空先輩が、私から視線を逸らして歩き出す。
わかってたんじゃないの?
わかってて、青春って言ってたんじゃないの?