あんまりにも、酷いと思ってんのよっ!



咲良先輩が可哀想だと思ってんのっ!



私だって可哀想だし。



そりゃあ騙された私が悪いんだろうけど、でもあの素敵時間はすべて嘘だったんだと思ったら本気で悲しくなるのよ……。



樹先輩の笑顔も、頭のポンポンも、優しい言葉も全部嘘だと思ったら……。



「琥太郎が迎えに行ってるしいいんじゃないの?」



不思議そうにそんなことを言いだす、残念を通り越した男。



「そういう問題じゃありませんっ! 琥太郎先輩ではなくて、青空先輩が行ってあげるべきなんじゃ……」



そう言う私に、青空先輩が笑いながら答える。