「なんだなんだ? 彩乃君は時々元気がなくなるんだな。なにかあったのか?」



「いえ、別に」



どうやら残念な振りをしているだけらしい男に、素っ気なく返す。



だってさぁ、あんた怪しいよ。



咲良先輩の気持ち知ってて、あんな残酷なこと押し付けたりしてさぁ。



しかも意味がわからないからっ!



「どうして咲良先輩は迎えに行ってあげないんですか?」



「は?」



「私を迎えにこれるなら、咲良先輩を迎えに行ってあげてもいいじゃないですか」



「どうしたんだ? なに怒ってるんだよ」