「どうぞ」



軽く言うのは奈美ちゃん。



「なんだよ、お前ら愛想ねえな。同じ1年だよな?」



「そうだね」



突っ伏したまま、顔も上げずに答える。



どうでもいいの、ホント疲れるの。



このまま少し寝たいくらい。



だって、この後また青空先輩に振り回されるんだもん。



それなのに、あんたに愛想振って体力使ってる場合じゃないしね。



爽やかな風が頬を撫でる。



なんだかとても気持ちよくて、本当に寝てしまいそうになっていると、聞きなれた声が聞こえてきた。