「そう言われてみれば、いない……」 何だか、初歩的なことに気付いた私たち。 もしかしたら部活動として認められてもいないんじゃない? 「でもねぇ……」 またもや呟くのは奈美ちゃん。 「そうなのよねぇ……」 返すのは私。 だってあの素敵時間を捨てられないから。 完全に釣られている私たちは、樹先輩との素敵時間を捨てられずに、今日まで来てしまっている。 そろそろ暑くなってきているものの、まだ校内のエアコンは作動していない。