しかも声とか無駄に大きいし。 デートにいちいち青春を持ちこまれたりなんかして……。 「絶対無理ですっ」 キッパリそう言った私に、樹先輩が笑う。 「そんなに強く否定するなよ」 「だってぇ、絶対に嫌ですもん」 「じゃあ、どんな相手ならいいんだ?」 それはトイレまでの道のり、軽く聞かれた世間話の一つ。 そんなことはわかっている私は、もちろん樹先輩だとも言えるはずもなく。 だってさっきの話しでわかってるから。