「うん、美味いな。お前の母さんの卵焼き」



とかなんとか言って、私の卵焼きを食べているのは樹先輩。



「違ったか? まさかお前が?」



「いえ、お母さんです……」



私だって卵焼きくらいは作れるよ?



いや、多分だけど。



ただ、朝からお弁当を作るとか絶対無理だし。



「1号、料理くらいできねえとな」



とかなんとか少し面白そうに言われて、恥ずかしくなる。



「なんだよ樹、その1号って」



琥太郎先輩が言うと、奈美ちゃんが笑いだす。



「彩乃ちゃんもそう呼ばれてるの?」