電車を降り、バスに揺られて着いた植物園。
「早すぎた?」
そう、早すぎた。
まだ開園まで30分もあるしっ!
「何だよ、これならもう少し寝てられたんじゃねえの?」
呆れた声を出す樹先輩に、先ほどの微妙な笑顔はどこへやら青空先輩が声を出す。
「樹っ! ダラけたことを言うな。いいじゃないか、少し早いくらい。この30分を期待に胸ふくらませる時間にしようじゃないかっ」
「なんですかそれ?」
琥太郎先輩がそう言うと、青空先輩が笑顔で返す。
「これから綺麗な花が見られるんだろ? それをシュミレーションしながら待つ時間も楽しいだろ?」