微妙に下がったテンションをどう取り戻せばいいのかわからないまま、電車に乗り込む。



大都会では人口の多さから、土曜の朝でも電車は多少混み合っていて、降りる駅を確認してそれぞれが空いた場所を探す。



ドア付近に空きを見つけてそこに立つと、人に押されて来た残念な人が隣に立った。



「元気ないね? 楽しくない?」



背の高い青空先輩が、私を見下ろして笑顔で聞いてくる。



「いえ、別に……」



「そう、だったらいいけど」



軽く言って、窓の外に視線を向けるその顔は本当にかっこいい。



まあ、背中には水色リュックだけど……。



それでもなんでも、部長だけあって部員の変化には敏感に気付いてくれるらしい。