その笑顔にどうやらやられたらしい琥太郎先輩が、少し顔を赤くしたりなんかして。
「咲良先輩は、やっぱ4月生まれなんですか?」
赤い顔を背けながら、琥太郎先輩が聞く。
「うん?」
「だって咲良って名前」
「ああ、違うよ。関係ない、私11月が誕生日だし」
「そうなんですか?」
「うん。咲良って言っても、漢字はあの桜とは違うから。でもやっぱり好きかな?」
「え?」
「関係ないって言っても、やっぱり同じ名前だし、桜の季節になると私の季節って気がする」
とかなんとか言って柔らかく笑う、足の長い女の人は本当に綺麗で。