しかも奈美ちゃんに、表の顔で笑いかけてるし。



少しチクリと胸が痛かったりするのは、きっと小さな嫉妬みたいなもの。



全員が揃い、それぞれが挨拶を交わすと水色リュックを背負う人が拳を突き上げ声を上げた。



「よしっ! じゃあ出発だっ!」



どうしていちいちそんなに大声なわけ?



駅員さんが大きな声を出すから、不信そうに見てるよっ!



そうは思っても、残念な人にはまったく関係ないこと。



先頭に立ち、意気揚々と駅のホームへ向かう水色リュックの人。



少し呆れながらも、苦笑いで後に続く咲良先輩。



その咲良の隣を歩くのは、どうやら彼女を好きらしい琥太郎先輩。