だって微妙に小さいから。



そのサイズ、身体に合ってないよ?



「うん? 樹はまだか?」



「もう来るんじゃない? 遅れるとは聞いてないから」



水色リュックを背負う人に、足長美人がそう返す。



絶対おかしい。



どうして咲良先輩がこんな残念な人を好きなのか。



「あっ、来ましたよ」



琥太郎先輩がそう言って、手を振る方向を見ると、そこにはやっぱりかっこいい樹先輩。



私のワクワクの理由はもちろん、樹先輩の私服姿が見れるからで。



こちらに歩いてくるその姿に、私の視線は完全に釘付け。