それでもそんな醜く淀んだ気持ちより、好きな気持ちの方が勝ってる。





『なんでそこまで好きなんだろ…』





思い返してみれば、私は将ちゃんのことなんてほとんど知らない。




普段何をしているのかさえ。





「好き」って理屈はいらないんだなと思った。





思い出すのは私が知っている酷い将ちゃんと、抱かれている時の優しい将ちゃん。



運転中に手を繋いでくれる将ちゃん。




カラオケで私が歌ってる最中に泣いた将ちゃん。



動物が大好きで、飼っている犬と猫をこよなく愛す将ちゃん。





思い出っていいことばかりしか浮かばない、そこにはまだ好きな気持ちがあるから。