タケちゃんの胸の鼓動が聞こえる。
「タケちゃん・・・?ドキドキゆってるよ。」
あたしがそう言うとタケちゃんの顔が真っ赤になった。
「えっ!?聞こえてたっ?俺・・・十和とこうやって過ごすの久しぶりだから・・・なんか緊張しちゃって・・・って俺カッコ悪いよな・・・ゴメンな。」
タケちゃんは真っ赤な顔であたしに一生懸命謝る。
そんなタケちゃんを見てあたしはふと思った。






かわいい・・・。



「謝らなくていいよっ!タケちゃんのこと大好きだもん!真っ赤なタケちゃんも可愛くて大好きっ!」
あたしは満面の笑みでそう言った。

あたしは別にウソで言ったつもりではなかった。本当にタケちゃんのことを可愛いと思い、好きだと思った。



幹のことが好きなくせに・・・。あたしって一体何なんだろう・・・?あっちにもこっちにも気持ちフラフラさせて・・・。


「十和・・・。ありがと。俺もどんな十和でも大好きだよ。」



そしてあたし達はキスを交わした。

優しくて触れるだけの軽いキス。それだけなのにタケちゃんの想いが伝わってくる。
唇を離して顔をあげると目の前にはキラキラ輝くイルミネーションがあった。

たくさんの光と輝きで・・・まるであたし達を見守るようだった・・・。


「キレイ・・・。」
「これを十和に見せたかったんだ。」



「・・・・ありがとっ。」

気付いたらなぜか涙が流れていた。