オヤジはあたしをラブホに連れていくことを諦めたのか人目の少ない路地裏に連れこみ服を脱がそうとする。

「ちょっ・・・!!!やめてよっ!!!」
あたしは怖くて涙も出なかった。


するとサイレンの音が近くで聞こえた。
「警察・・・!?」
オヤジは怯えてそうつぶやいた。


今しかないっ・・・!!!


あたしはそう決心し、乱れた服も直さずに走って逃げた。
オヤジは追いかけてはこなかった。




「はあ・・・はあ・・・。」
あまりに全力で走ったせいで息がかなりあがっている。


「も・・・最悪っ・・・幹・・・助けてよっ・・・。」
呼吸を整えながらあたしはつぶやいた。
あたしは怖くて足がガクガク震えだしてその場に座り込んでしまった。


足・・・動かないよ・・・。誰か呼ばなきゃっ・・・。幹は病院だし・・・どうしよ・・・。


もうあたしは1人でいることが怖くてただ誰かに電話しようとケータイを開いた。