私が目覚めたのは吉岡のお葬式が終わった1時間後だった。

「鈴大丈夫?」
「ぅ…ぅん」
「貧血だって。今日家に帰れる?帰れないならうちんち来る?」
「大丈夫だよ。ありがとう」




私はベッドから降り吉岡の身内に頭を下げると吉岡の家を出た。
決して遺影なんか見ずに……。