「…お兄ちゃん、話があるの。」


 親の出張が重なった夜、あたしはお兄ちゃんに切り出した。


 …今日なら、お父さんもお母さんもいないから、どれだけ声をだしても大丈夫。


 なんて浅はかなことを、あたしは心の中で考えていた。