あれ以来、お兄ちゃんは人目をはばかりながら手を握ってきたり、軽くキスもするようになった。
お兄ちゃんは、最近とても幸せそうな顔して笑う。
あの時もそう…。
ほんとは、キスされた後に、違うって言うつもりだった。
お兄ちゃんだって、本気じゃないでしょって、言うつもりだった。
…だけど、お兄ちゃんは唇が離れた瞬間あたしを力いっぱい抱きしめて言った。
夢みたいだ、って。
本当に俺のもんだ、って…。
その言葉を聞いて、あたしは言いたかったことを忘れてしまっていた…。
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