正直驚いた。

でも…。

「そっか」

あたしの言葉に、今度は王子が驚いたように顔を上げた。

「あなたもホントは嫌なんだよね。でも国のため、受け入れるしかなくて…」

黙ってあたしを見つめる彼。

「ゴメンね、何も気付かなくて。
運命の相手が、もっと好みのコだったら良かったのにね」

「…」

沈黙が気まずくなって、あたしは部屋を出た。