『もう!!話の途中でしょ?最後まで私の話し聞いてよね』

『ごめん‥』

私は龍二から離れてベッドの上に足を組んで座った。龍二も私の傍から少し離れた所で、壁に背中をつけて座った。今のキスで体が火照ってきて‥何処を見たらいいのか分からなくなって、震えた手でマグカップを取り、一口飲んだ。

龍二も少し震えた手でタバコに火をつけた。


『『あのさ!!』』

二人の声が重なった。

『『先に‥』』

また重なってしまった。私から話した方がいいのかな?龍二の様子を見ると、龍二も私の様子を伺っていた。龍二と持っていたマグカップを交互に見ていると、龍二が先に口を開いた。

『えっと、なんだ‥』

言いたいことがまとまっていないようだ。しばらく様子を見ていると、天井を見たりタバコの灰を落としたり‥。そんな挙動不審な行動が可愛く見えてきた。

『私から話してもいい(笑)』

『ど、どうぞ』

結局私から話すことにした。


『電話で伝えた「龍二に逢いたい」って言うのは、もちろん龍二の事よ?たぶん、勘違いしていたと思うけど。あんなに私の本音叫んだのに‥この先も龍二が好きです。この気持ちは変わらないって』

『ちょっと待った!!俺、それ聞いてないけど』

『私、言ったよ。‥あっ、龍二の返事がなかったときだ‥きっと』

『あの時は、駐車場に陽菜の姿が見えて夢中で走ってたから、携帯耳に当ててなかったんだ‥

もう一度言って』

小動物の様に潤んだ瞳で私を見てきた。そんな目で見つめられたら‥言いたくなるじゃない‥

私はその瞳に吸い込まれるように囁いた。