よし、制服OK、鞄OK、髪型OK!

チェックを終えたあたしは、トントントンと軽快に階段を降りていく。



「ちょっと、深雪!遅いじゃないの。遅刻するわよ。」

すると、あたしがリビングに足を踏み入れた途端、小言を言う母。

「大丈夫、まだ間に合うから。あ、ご飯は?」

「とっくにできてるわよ。まったく、入学式早々…。
ほら、さっさと食べる。朝斗くん待たせてるんでしょ!?」


朝斗…

「知らない、あんなヤツ。」

「そんなこと言ってないで、早く行きなさい。」


「言われなくても!初日から遅刻なんてごめんだもんね。行ってきまーす。」