先生に余命を宣言されてから、月日はどんどん流れ…
「長くても半年」と言われた、半年まで後1ヶ月をきった。
「俺って…あと1ヶ月しか生きれないんだよなぁー」
突然朝飛がつぶやいた。
「そんなことないよ…朝飛はちゃんと生きるよ?」
「そうかなぁ…」
なんか不安そう。
不安なのは私もなんだよ?
「私の為に生きようとは思ってくれてないんだ…。 残される方が寂しいことくらい、わかってるよね? 私を守るって言ってくれてるんなら、自分でも生きようとしてよっ…」
あ、つい強気に言っちゃった…。
「俺だって生きてぇよっ…ずっとこのまま、玲と一緒に居たいんだよっ!! ……玲をずっと守っていたい…守る存在で居たい。 わかってくれよ」
朝飛は、真剣な表情をしながら涙を堪える。
私はそんな朝飛のことをただ、見ていることしかできない。
すごく…すごく情けなかった。
「前、お前が”朝飛となら奇跡起こせる”みたいなこと言ったじゃん? そん時俺、すげぇ嬉しかった。俺も、”玲となら奇跡起こせる”って思ったんだ。でも、月日が経つ度に、どんどん不安が増してってさ…俺もどうすればいいかわかんなくなったんだ…」
「…朝飛と生きたい」
私は無意識に言葉が出ていた。
私が言った突然の言葉に、朝飛は呆然と私を見つめてる。
そして一言、
「俺も」




あの日、私は改めて”朝飛となら奇跡起こせる”って思いました。  でも、本当に奇跡は起こせたのかな? 今の私は、朝飛との思い出を作れたことが奇跡だと思っています。
…朝飛はどうですか?  私と同じ気持ちですか?
私は今でも、朝飛に…私の運命を変えてくれた男の子に恋をしています─。
今も伝えたい。 でも伝えられない。


”好きだよ”─…。