「良かったじゃん」
川口は嬉しそうに言った。

「…なんとか…」

そこまで言って赤くなってしまう綾香。


うんうん、と川口は言って「さ、仕事の続きよ」
と言われ、はいと答えた。


綾香は自分の体が自分じゃない感覚になっていた。
昨日のことは夢なんじゃないかと…

そこで昨日のことを思い出して一人赤くなってしまっていた。

明日は上野動物園に行くことになっていた。
普段通りに会う自信がない。
しゃべれないかも…と不安になる。

仕事にも集中できない。

「ああ、どうしよう…」

つい、口に出してしまった。