クリスマスのことなんかすっかり忘れてのんきにコーヒーを飲んでいた。


「家はサラリーマンだから家も小さいし、裕二君が来たらびっくりするかもね」
と笑う。


裕二が真っ赤になる。
それって公認の仲になってゆくゆくは結婚って意味か?
とも考えたが、綾香は無心だな。いつも通りだなって結論付けた。


裕二がポケットをごそごそする。

「綾香」
「ん?」
と振り向いた途端、裕二がキスをしてくる。
その手は綾香の手を握った。そしてヒヤリとした感触が左の薬指にあった。

目をあけるとプラチナの指輪があった。


「クリスマスプレゼント」

にこにこと裕二が言う。

「綺麗…」


綾香は見とれてしまう。

「ありがとう」

とびっきりの笑顔でお礼を言った。

「はっそうだ!!」

綾香はバッグの中から箱を取り出す。

「私からのクリスマスプレゼント」

「お~ありがとう。何?開けていい?」

嬉しそうに開けてプッと笑う。中身は外付けのハードディスクだった。

「綾香…なんで…これにしたの?」
笑いをこらえて聞く。

「友達に聞いたらね、写真ってそいういのに保存するといいんだって。裕二君写真好きみたいだし…1テラ?とか言ってたよ」

「これ何だか分かってる?」

う~んと悩み、
「パソコン?」

裕二は耐え切れず大爆笑した。

「もう!何よう!」

「いや、ありがとう、ありがとう」

しばらく裕二は笑っていた。