「ゆーなー! こっち!」


たくさんの新入生で溢れてる昇降口の前で、親友の愛希(あき)が手招きしてる姿が見えた。


「こっち、こっち!」


「ごめんねー、遅くなって。で、どうだった?」


あたしの言葉に、にかっと笑う愛希。


「同じクラスだったよー!」


「やったぁーー!」


嬉しくて思わず愛希に抱きついてしまった。


「クラス離れちゃったらどうしようかと思ったよー」


「あたしも!ゆなと一緒でよかったー」





高校1年の春。


あたしは、地元の公立高校に入学した。