だけど

あたしにはなりたい夢がない。


大学に行く理由がないの。




大学に行くくらいなら…





「ねぇユキ……あたし…」

「莉紅には頑張って欲しかった」



呟くように言いかけたあたしの言葉を遮り、ユキが半ば諦めたように言った。



「莉紅、夢がなくったって大学に行けるんだよ。何でもいい。探しに行くんだ。夢を」



夢を探す。


そうだけど、ユキ。

違うの。

夢なら、何でもいいなら、
あたしにだってあるんだよ?