先生に鼻に詰め物をしてもらう。

「少し大人しくしておきな」
と言って先生はどこかへ行ってしまった。


裏庭に面した保健室の窓辺に立つ。

外を見て、

真っ先に瞳に飛び込んで来たのは

フミエちゃんの走る姿だった。


大勢いる他の陸上部員やテニス部員の姿はぼやけ、

フミエちゃんを中心に
放射状の光が放たれて
彼女だけがハッキリと見えた。

真剣な表情
うっすらと浮かぶ汗

疾風に乗って走る彼女がいた。

映画のワンシーンような

歌の一節のような・・・