天野くんと同じくらい上手いんだ。

その天野くんが必死に追っている。

でもまだ追い付かない。

ボクと中谷くんの間には誰もいない。

一対一という奴だ。

ちらっとボクの顔を見て
唇の端に笑いが浮かんだ気がした。

ボクが圧倒的に不利だけでなく、
相手がボクなら楽勝ってか。

どんどん中谷くんとボクの距離は縮まる。

中谷くんは後ろの気配を察した感じで、シュートの態勢になる。

右か?

左か?

両腕をいっぱいに広げてゴールを守る。

わかんないから打たれたら思いっきり左に飛んでみよう。