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「沖田さんっ、沖田さんっ、どうなさったんですか」


さっきから沖田さんが頭を抱えて唸り出した。

どうしよう。どうしたらいいんだろう。

だれか、だれか呼ばなきゃ



「ま……って」



立ち上がろうとすると、沖田さんがガッと私の手を掴む。

でも、


「大丈夫、ですから」



いやいや顔が大丈夫そうじゃないんですけど!!



でも、沖田さん、

うん。沖田さんの言うことに従おう。



「沖田さん」



ギュウッと沖田さんの首に手を回し沖田さんを抱きしめた。


どうしたら沖田さんが楽になるかなんてわからない。
だから、私は何も出来ないんだ。



無力な私を許して下さい。




「……………ありがとう、菅野さん………
少しだけ、私の独り言を聞いてくれませんか」




少し、沖田さんの声が落ちついていた。



「はい」



沖田さんが話しやすいようにって離れようとしたら、今度はぐいっと沖田さんの腕が私の背中に伸びて、沖田さんの胸に寄り掛かるような形になってしまった。



まあいいけど、病人なのにどこからそんな力強さが出て来るんだろう。