真っ暗な油小路、対面するように新撰組が立つ。




土方を中心に、原田永倉が隣に足を並べ

その後ろで斎藤が刀に手をかけ足音に耳を澄ましていた。


他の隊士達も緊張をしながら幹部達の後ろに並ぶ。



平助は、どこだろう

暗くてよくわからない。


下手したら味方さえも見分けつかないかもしれないな。


だから平助を斎藤に任せたのか、と誰しもが思ったその時、

斎藤が前方に刀を抜いて走り出した。



ぇえええ!?

平助を助ける担当じゃねーのかよ!!いきなり斬り込み隊長かよ!!


御陵衛士なんか姿も確認出来ていない暗い夜


だけど斎藤が行った後すぐに、居合の声と刀のぶつかる音が側で聞こえた。



そんなに近くにいたのか!!



「斎藤に続け!」



足音を聞いていた斎藤は、距離がわかったんだろう。

そのストイックさには恐ろしいとまで思える。



隊士達も斬り込みに走り出した。

土方はその場に佇んで敵を睨む。

早く慣れろよ目。暗闇が面倒だ。