「そのことやったら、せんど先生が久坂さんにやめろっていうてはります今。
先生かて今は長州が不利なんはわかってはるから」
それでも久坂さんは動こうと?
「久坂さんの居場所を教えて下さい」
真っ直ぐに幾松さんを見つめると、幾松さんはため息を落として頷いた。
「桃ちゃんがこんな意思の強い子やったやなんて……
久坂さんは東に向かって逃げていかはりました」
東……!
山崎さんに視線を向けるとわかった、というように頷いてくれた。
「ありがとう幾松さん!」
「危ないことはしたあかんえ」
「はい!」
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