電話の向こうで、翔太が照れたようにヘヘッと笑う。
「…何か俺らさぁ、今までこうゆう話したことなかったし。たまにはいいかなーとか思って。…なんか青春っぽいだろ?」
翔太は同じ調子で言葉を並べた。
「…青春って…何だよそれ」
俺も笑った。
でもそれはさっきまでの笑いとは違って、乾いた笑いで。
…喉の奥が乾いたような、笑いだった。
「俺さ、リハビリの先生になりたいんだ」
力のこもった、翔太の声。
「前にバスケでケガしたときにさ、病院でリハビリ受けたんだ。そん時からずっといいなって思っててさ」
″リハビリの先生に、なりたい──″
俺は必死で言葉を探した。
「…そっ、か。俺、よくわかんねーけど、翔太がやりたいって思うことなら翔太には向いてると…思うよ」
俺の言葉に、翔太が照れ臭そうに笑う。
「元」
「ん?」
「ありがとな」