そんなやり取りを面白がりつつ……翔太からの電話に、安堵している自分がいるのに気付く。


翔太も、自分と同じなんだと。

将来のことが見えていないのは俺だけじゃないんだって……そう思い込んだ。




「もしかしてお前忘れてただろ~?」

「…ばぁーか、ちげーよ。」


…忘れてたわけじゃない、書けないんだ。

あまり自分のことに触れられたくなくて、俺は翔太に話を向けた。



「…でそういうお前は書いたのかよ」

「書いたよ」






…一瞬息が、詰まった。



思っても見なかった答えと、自信さえ感じられる翔太の言い様に、俺は言葉を失った。


俺はきっと、俺とずっとバカなことばかりしてきた翔太が俺と同じ位置にいるのだと思っていたのかもしれない。




…自分の進路を、


自分の道を…ハッキリ決められない俺と。




将来の道が見えないんじゃない。

ただ、見ようとしていない、逃げているだけの…俺と。