″な…んで……″




体の中が、まるでかき混ぜられたように、

いろんな気持ちが凄い勢いで…込み上げてくる。


しかしそれとは正反対に、俺の体はピクリとも動かない。


……ただ、俺の瞳には、俺の目の前に立つ、麻子の姿─。


それだけが、焼き付くように残る。




…何か、言わなければ。



でも、そんな俺の口からは、言葉が出て来なかった。

何かを言おうとしてはそれを飲み込む。



酷い言葉を謝ればいいのか

来た理由を聞けばいいのか

…それとも



これは夢なのか……?





その時、麻子がゆっくりと口を開いた。






「…久しぶり、元」