「ふたりとも、なんで泣いてるの?」


僕はあたふたと涙を拭う。

叔父もあわてて目をそらす。


「なっ、何でもない」

「……変なの」


クスクスと桜子が笑った。


あれほど横で泣き喚いていたというのに、なかなか起きなかった桜子も、じゅうぶん変だと思うけれど。


「桜子、よく寝てたね」


うん、と彼女がうなずいた。


「なんでだろう……お父さんの夢を見てたの」

「……」

「よく思い出せないけど、お母さんも出てきた気がする」


僕と叔父は顔を見合わせた。


こんな、不思議な偶然ってあるんだろうか……。


「桜子」

「ん?」

「報告があるんだ」

「報告?」


僕はうなずいた。



「そう……すごく、幸せな報せが――」