「まんまと社長にハメられちゃいましたねえ」
とコバが前髪をいじりながら言った。
いつも身だしなみばかり気にしているこの男は、
小林くん
通称コバといって、
池袋店のスタッフでは一番の古株らしい。
胸元のボタンを開けたシャツに、
軽薄そうな微笑み。
いかにも夜の男といった風貌で、
「俺は女と酒がなきゃ生きていけないっすよ」
が口癖だ。
そして、突然名古屋店から店長として移動してきた年下の僕を、
あまり好くは思っていないようだった。
コバは言う。
「ここは系列店の中でもダントツで売り上げ悪いっすからねえ。
前任の店長が飛んじゃって、ちょうど責任者がいなくなってたし。
面倒なことを成瀬さんに押し付けたかったんでしょうね」
口調は嫌味ったらしいが、話の内容はあながち外れてはいなかった。
とコバが前髪をいじりながら言った。
いつも身だしなみばかり気にしているこの男は、
小林くん
通称コバといって、
池袋店のスタッフでは一番の古株らしい。
胸元のボタンを開けたシャツに、
軽薄そうな微笑み。
いかにも夜の男といった風貌で、
「俺は女と酒がなきゃ生きていけないっすよ」
が口癖だ。
そして、突然名古屋店から店長として移動してきた年下の僕を、
あまり好くは思っていないようだった。
コバは言う。
「ここは系列店の中でもダントツで売り上げ悪いっすからねえ。
前任の店長が飛んじゃって、ちょうど責任者がいなくなってたし。
面倒なことを成瀬さんに押し付けたかったんでしょうね」
口調は嫌味ったらしいが、話の内容はあながち外れてはいなかった。