クリスマスがやってきて、すぐにお正月も終わった。


日本中がその余韻を引きずりながら、どうにか日常生活に戻ってゆく頃。



叔父からの連絡は、まだなかった。



焦りや
幸せや

様々な感情がない交ぜの日々の中で、


僕たちの赤ちゃんは

着々と育っていた。






『はじめての出産』

『赤ちゃんの名前辞典』


……ずらりと棚に並んだ妊婦関連の本に、僕は圧倒される。


「色々あって迷っちゃうね、拓人」


桜子は頬に手を当ててため息をついた。

けれどその顔は、とても幸せそうだった。


「どの本にしようかなあ。目移りしちゃう」

「どれも一緒じゃないの?」

「もう~、拓人もいっしょに選んでよ」